[秋明菊]
学名:Anemone hupehensis var. japonica
和名:シュウメイギク
日本の秋の代表的な草花の一つである。名前にキクがつくが、キク科ではなく実はキンポウゲ科の植物。その名のとおり秋に菊によく似た花を咲かせることから名前が付けられたようだ。 中国原産の植物で、渡来して居着き京都の貴船に野生化したものなので、貴船菊とも呼ばれる。
キンポウゲ科の植物は自然分類のなかでも仲間がとても多く、春に赤やピンク、紫などの花を咲かせるアネモネや、古くから園芸種で人気の高いクレマチス、ラナンキュラス、可憐な草花イチリンソウ、ニリンソウなどもある。 オダマキや、クロタネソウなどのなんとも複雑な造形な種類もある。花の美しさより、毒を持つことで有名になってしまったトリカブトもやはりキンポウゲ科である。
いずれにしても、キンポウゲ科の花はおしべとめしべがたくさんあるのが特徴であり、花弁がなく萼が花弁化したものが多い。つまり秋明菊(右の写真)の花の白くの見える部分は、花弁ではなく、萼なのである。
また、アネモネ・ヤポニカ(ジャパニーズアネモネ)ともよばれるように、日本の野生のアネモネともいえる。アネモネとは、語源をギリシャ語の『風』に由来するといわれ、「風の花」を意味するという。 秋風にゆらゆらと揺れる清らかで可憐な姿がなんとも郷愁を誘う。
花言葉は「薄れいく愛」「忍耐」