[ススキ]
学名:Miscanthus sinensis
和名:すすき(芒、薄)
本の秋の象徴とも言えるススキは、秋の七草、『萩(ハギ)・桔梗(キキョウ)・葛(クズ)・藤袴(フジバカマ)・女郎花(オミナエシ)・尾花(オバナ)・撫子(ナデシコ)』の中の尾花のことである。さらには、萱(かや)とも呼ばれる。
*表面の油分が水をはじき、通気性に優れていることから、茅葺き屋根の材料として用いられたり、縄や草履などの材料として使われてきた。 また、家畜のエサとして使われたり、風邪のときには解熱剤(乾燥させた根)として使われたりもした。
ススキと言えばお月見とうさぎがセットで思い出されるように、中秋の名月には、欠かせないものとして、古くから親しまれてきた。その姿が稲の穂に似ていることから、穀物の収穫に感謝し、翌年の豊作の祈願のために供えられたようだ。
夏の緑色から秋の黄金色にいっせいに変わる姿は幻想的で、箱根の仙石原などの名所はその時期とてもにぎわうことでも知られる。しかし、現代ではイネ科植物が花粉症を引き起こすこともあり、ススキの花粉もアレルゲンの ひとつになっていると言われる。
先頃、バイオエネルギー生産の原料として、ススキが適している可能性が発表され、海外でも注目を集めはじめ、日本でも研究がすすめられている。 なんとなく、地味といった感じのススキだが、花言葉のように実は多いに頼もしい植物のようだ。
生け花やフラワーアレンジメントの世界でも、葉を夏の装飾に使ったり、穂の出たものは 秋の風情を表すのに用いられる。また、丈夫で育てやすいので、ガーデニングにも取り入れられ、ことにイングリッシュガーデンでは、イネ科の植物だけを使った「グラスガーデン」に欠かせない植物として人気が高い。
花言葉・・・活力、精力、心が通じる、隠退